「地球っていつか終わるんぜ」
地球っていつか終わるんだ。
というか地球含む太陽系も、その太陽系のある大宇宙もいつか終わるんだってさ。
まあそうだよな。
地球が、そして世界がリアルな存在なら、そりゃリアルに考えれば全てはいつか終わるってのが最もリアルなシナリオだよ。
地球の話で言うと17億5000万年から32億5000万年ぐらい後には地球が太陽に近づきすぎて海の水が全部蒸発して地球上の生命が滅亡するらしい。
まあ海干上がる前には食い物無くなったり、熱すぎて死ぬよね、常識的に考えてさ。
つーか17億5000万年から32億5000万年ってどんだけ時間にアバウトなのよ太陽。時計と手帳かってスケジュールする習慣付けろよ。
まあいいさ太陽。
だって多分、俺が考えるに人類は地球より先に滅亡してるからさ。
戦争かな? 人口増加の飢餓かな? 技術特異点後に生まれたAIに虐殺されるのかな?
まあ、理由はなんでもいいや。
色んな偶然が重なって人類の歴史は数百万年ぐらい続いてるけどさ、それって俺たちが思うより遥かに脆くて、今この瞬間に終焉を迎えてもおかしくもなんともない、そういった類のものだぜ?
宇宙からしたら砂粒にも満たない隕石が衝突しただけで全て消えてなくなる。
隕石は安全講習とか受けてないからノンブレーキで地球に突っ込むからね。
宇宙には警察とかいないから余裕でひき逃げだよ。
まあなんだ。
とにかく、俺たちってそういう世界に生きてるの。
圧倒的に残酷なのがリアル(現実)ってヤツだ。
歴史も道徳も法律も宗教も哲学も、人間が作ったもので、はるかな宇宙や地球や自然からしたら意味もクソもないガラクタ以下のゴミクズだ。
いたずらみたいな偶然が働けば、なんの慈悲も無く叩き潰されちまうのが俺らなわけ。
わかるか?
俺たちはいつか死ぬ。
お前のカーちゃんとトーちゃんはお前よりもっと早く死ぬ可能性が高い。
そして地球がいつか終わる可能性は100%だ。
何が原因で終わるか分からない世界に住んでる、いつか絶対消えてなくなる存在がお前だ。
親も先生も弁護士も科学者も軍隊も、誰もお前の事なんて守っちゃくれない。
ゾンビの大発生や隕石の衝突なんか待ってなくても、いつか終わるから安心しろ。
宇宙規模で考えれば自殺も他殺も自然死も、どれも大して変わらないから別に自分の最後なんて想像しなくてもオッケーだ。
嫌な上司も、分かってくれない親も、お前を裏切った友達も、お前の嫌いな物も全部いつか消えるから安心しろ。
許せない事だっていつか消えてなくなる。
昨日喧嘩してから連絡をとってないお前の大切な人だっていつか一族まとめて消えてなくなる。
お前がひどく傷つけた誰かだっていつかどこかで死んでいくんだ。
じゃあさ。
お前はどうやって消えていく?
どうやってこの、何の意味も無い、いつか絶対に消えてなくなる世界を生きる?
いつか消えるんだったらさ。
いつか終わるんだったらさ。
いつか誰も思い出してくれないんだったらさ。
俺は俺を分かってくれないヤツを分かってやってもいいかも知れない。いつか終わるんだし。
昨日の喧嘩や、ちょっとした食い違いなら俺が一歩譲ってやってもいいかもしれない。
いつか終わるんだし。
俺の好きな人のためだったらちょっとぐらい恥をかいてもいいかもしれない。いつか終わるんだし。
辛くても、後悔しないために頑張ってみてもいいかもしれない。
いつか、何も感じなくなる終わりの日がくるんだし。
いつか終わるなら好きな人にはいつにも優しくしたいよな。
いつか終わるなら持ち物はそんなにいらないよな。
いつか終わるなら嘘なんてあんまりつかなくてもいいよな。
いつか終わるからさ、今日は楽しい方がいいよな。