タイのCMが感動的過ぎる!死んだ彼氏を想う女の子を描いたショートフィルム
タイのCM用ショートフィルムはとにかく完成度が高く、感動的。
フィルム好きな方なら必ず観たことがあるはずです。見た事がないなら今すぐ観てほしいです。本当に素晴らしい作品で溢れています。
今回はそんなショートフィルムの王国、タイから新たに公開されたCM用ショートフィルム『The Only One(たったひとりの)』を紹介致します。
デパートなどで使われるカードのCMなのですがとにかく感動的で、そのへんのC級映画よりもよっぽど観る価値がある作品です。
その作品がコチラ
一応英語字幕はあるんですが、分からない人の為に軽いあらすじを以下に用意いたしました。
よろしかったらお読みください。
あらすじ
物語は彼氏の死から始まる。
ベスト(彼氏)の死を受け入れられないヴェーウ(主人公の女性)はYoutubeで傷心に浸るための音楽を聴きあさったり、死んだ彼氏のフェイスブックを何回も眺めたりと一向に前進できずにいた。
映画の様に「死んだ彼からの手紙」が残されているかもと期待するが、、、
やはりそんなモノは無いし、
「死んだ彼の気持ちを語ったビデオレター」なら残っているかもという期待も、
「やっぱり映画で観たような事は起こらない」と呟きながら彼と映画を観た日の事を思い出すヴェーウ
やっぱり打ち砕かれる。
それもそのはずで、ベストという男は、
大いびきをかくし、
基本的に邪魔ばっかりするし、
『ビッチ』と書かれた矢印付きのTシャツを着るベスト(死んだ彼氏)
服のセンスもない。
勝手に死んでしまって、勝手に犬だって残していった。
二人が付き合い始めて5年目の記念日も忘れていた。
そして無神経な事に、
「この新しいTシャツどう?」
と、ダサいTシャツでとどめを刺すかの様に、記念日を楽しみにしていたヴェーウを傷つけた。
ヴェーウは涙をこぼしながらトイレに駆け込む。
必死になだめるベストの声もヴェーウには届かず、言い合いになってしまう。
そして、ヴェーウは「地獄に堕ちなさいよ!」と激しくベストを責め、、、
なんと、それが最後の言葉となってしまった。
(作品内では死因は明言されていないが、事故などの不慮の死であるとみられる)
後悔に打ちひしがれるヴェーウはお酒に溺れてみたり、
心を無にしてみたり、
彼との思い出の場所に行ってみたり、
全てを試してみても、やっぱり彼を失った悲しみは変わらなかった。
今はもう、彼とのメッセージのやり取りを一人悲しく読み返す事しか出来ない。
思い出の中に逃げ込んでも、現実は変わらない。
残されたヴェーウは忙しい日々の中を悲しみを抱えたまま過ごしていく。
仕事終わり、倒れ込むようにベットに寝そべったヴェーウは再び彼のフェイスブックを眺める(これで89回目)
そしてある事に気が付いた。
彼の投稿にいちいち「いいね!」をしている怪しい女。
もしかしたら浮気相手!? とヴェーウはそわそわする。
真相を確かめようと思案するヴェーウ。
「そうだ! 彼のノートパソコン!」
彼の事だから、フェイスブックはログインしたままだろうと踏んだヴェーウは彼のノートパソコンのパスワード探り当てようと奮闘する。
そして、外が明るくなり始めた頃、なんとかログインに成功します。
(犬の名前がジェラード(元リバプール所属のサッカー選手)だったことにヒントを得た)
壁紙が自分の顔写真だったのを観て少し感傷モードになるヴェーウだが、すぐに自分が「私の写真を壁紙にしなよ」と言って無理やり変えさせた事を思い出す。
気を取り直して浮気疑惑について調べを進めるヴェーウ。
楽し気なチャット履歴。
浮気を立証するような言葉をいくつも見つけてしまうヴェーウ。
しかし、それらによるショックを全て吹き飛ばしてしまう様な衝撃的な事実を発見します。
「ごめん、、、もうこの関係はやめにした方がいいと思う。彼女にプロポーズするんだ」
プロポーズ。
彼はそんな事を考えていたのか? というかプロポーズなんてされた覚えないけど?
ヴェーウは記憶を辿ります。
そして、思い出します。
あの口喧嘩の日、5周年記念日に彼の着ていたTシャツの事を。
UP(上)と書かれたTシャツを着ていた彼。つまり「上をみて!」という意味だったのだ。
目線を上に向けた先、そこには彼がサプライズで用意した指輪のケースがあった。
そして、彼との思い出がフラッシュバックする。
「二人で見上げたヴァニラスカイが恋しい」
「あなたのいびきも」
「イタズラなあなたも、恋しい」
『ありがとう』
『全部に、ありがとう』
「私たちの単純さが恋しい」
「あなたが恋しい」
”今すぐ大切な人にあなたの気持ちを伝えよう”というコピーと共にフィルムは終わります。
11分に凝縮されたドラマ
たった11分という短いフィルムですが、色んな事を考えさせられる素晴らしい出来となっていますね。
フィルムランゲージもたくさん盛り込まれていて、改めてタイCMフィルムの良さを感じました。
特に感動したのは、指輪のケースを見上げるヴェーウが「ベストと見上げたヴァニラスカイ」を思い出すシーン。
美しいフィルムランゲージだと思います。
そして物語を引き立てる音楽も素晴らしい。
どこにでも居そうな二人だからこそ、すごく心に訴えかけてくる物がありますね。
タイのCMフィルムは基本的にレベルが高いのですが、これは久々にクリティカルヒットヒットしました。(個人的に)
これからも良いCMを見つけた際にはシェアしたいと思います。
それでは。